成功する人はパイを大きくする「GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代」
今回ご紹介する本は GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代 です。
人の行動を大きく分けて下記の3つに分類した場合、最も成功するのはどれでしょうか。
- テイカー:常に与えるより多くを受け取ろうとする
- ギバー:相手の利益を考え、受け取る以上に与えようとする
- マッチャー:与えることと受け取ることのバランスを取ろうとする
一見すると自身の利益を優先して行動するテイカーが最も成功し、 自身の利益を顧みないギバーが成功しづらいように見えます。
確かに個人での活動での成果においてはその通りですが、 グループでの活動では最も成功しづらいのがギバーである一方で、 最も成功するのもまたギバーであるということがわかりました。
テイカーやマッチャーはゼロサムゲームであり、あるパイの取り分をいかに自分のものにするかを考えるのに対し、 ギバーはテイカーにはない人脈作りや協力関係、人を見極める力や影響力を持つことが可能であり、 相手が得をし、かつ自分にも利益があるようにパイ自体を大きくする行動ができるためです。
特にインターネットの普及により人同士の繋がりがより活発になった現代では、 テイカーはテイカーであることが見抜かれやすくなり、ギバーはその影響力を広めやすくなったことで ギバーが成功しやすい状況となりました。
本書では様々な状況でテイカー、ギバー、マッチャーがどのように考え行動しているかを解説すると共に、 なぜギバーが成功するのか、成功しないギバーとの違いは何か、ギバーの天敵であるテイカーに利用されないための方法など、 成功するために重要な考え方について語られています。
会社経営のような大きなものから、自身が所属する部署内のチームでの活動など、 どのスケールでも参考になる内容かと思いますのでぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
頼むことは相手のためにもなる「人に頼む技術 コロンビア大学の嫌な顔されずに人を動かす科学」
今回ご紹介する本は 人に頼む技術 コロンビア大学の嫌な顔されずに人を動かす科学 です。
人に何かを頼いたいと思ってもためらってしまうことはないでしょうか。
- 頼みごとをされて面倒だなと思われないだろうか。
- 嫌われたりしないだろうか。
- 断られたらどうしよう。
そんな事を感じた経験があるかと思います。
人は誰かに下に見られたり、拒絶されたり、 自分でコントロールできないものに対したとき不安を感じるものです。
頼みごとをためらってしまうというのはそうした不安から生じているものと考えられています。
ところでみなさんは逆に頼みごとをされた時はどうでしょうか。
- そのくらいなら助けてあげようかな。
- 断ったら嫌われたりしないだろうか。
- 前に一度断っているから二度も断ると悪いかな。
そうです、頼みごとをする時つい忘れがちですが、頼まれる側にもこうした想いが働いているのです。
また、そもそも人というのは集団生活により生き延びてきた生き物であり、 誰かに頼みごとされることで集団から必要とされている、役に立つ存在なんだと感じることで自己肯定感を高められるため、 頼みごとをされたい、誰かを助けてあげたいと考えています。
こうしてみると人に何かを頼むという行為は、 自分の利益だけではなく相手にも利益があるものだと考えられないでしょうか。
ただし、頼みごとをされて嫌な想いをしたこともありますよね。
つまりは当然ながら何でもかんでも人に何かを頼んでも良いという訳ではなく、 頼むときに言うべき事と、言ってはいけない事、 また、相手の状況を考慮してあげることが大切になります。
本書では頼む側の心理と頼まれる側の心理の両面から、 なぜ人は頼む事をためらうのか、 なぜ人は他人を助けたいと思うのか、 人に頼む時は具体的にどうすれば良いのか、 と言った内容が科学的根拠と共に述べられています。
仕事でもプライベートでも活かせる内容ですので、 詳細が気になる方は是非読んでみてはいかがでしょうか。
性格に合ったスキルで対策「コミュ障でも5分で増やせる超人脈術」
今回ご紹介する本は コミュ障でも5分で増やせる超人脈術 です。
本書で言うところのコミュ障とは、内向的な性格であるが故に 会話を実践する経験が少ない人のことを指しています。
内向的なことは決してマイナスであるということはなく、 研究結果からも内向的・外向的それぞれに長所と短所があるということが分かっており、 内向的であることを改める必要はないということが示されてします。
つまり、人脈を広げる上で大事なことは、 内向的・外向的という性格を変えることではなく、性格に合わせた対策が必要であり、 特に内向的な人は経験が少ない分を補うスキルが必要ということです。
世の中にある多くの書籍は外向的な人が実践すべきスキルについて語られているのに対し、 本書では内向的な人に焦点を当てて、いかに人脈を広げるかについてが語られています。
本書は6章構成になっており、大まかな内容は以下です。
* 人脈「ネットワーキング」についての基礎 内向的、外向的はそれぞれ長所短所があり優劣があるわけではない。 重要なのは性格に合ったネットワーキング構築の技術を身につけること。 * 性格によらず共通して重要な「ネットワーキング」の土台 いずれにしても交流する母数を増やす意識は必要。 * 内向的な人こそ大切にすべき「スーパーコネクター」 スーパーコネクターの見つけて仲良くなるための方法と、 ネットワークのバランスとベースを広げる意識の大切さ。 * 親密度の維持と高め方 予め話す内容を準備しておきコミュニケーションを行うと、 親密度が高めやすく友達を作りやすい。 一度できた友達はSNSでも良いので時折連絡すること。 * 人間関係の上限と距離を取るべき相手 自分がストレスを感じない人数で人間関係を維持する。 溢れる場合や、そもそも距離を取るべき相手は3パターンあり早めの見極めが肝心。 * カリスマ性とは カリスマ性の定義とそれ表す6つの能力があり、 いずれも鍛えることが可能である。
既存のネットワークの中ですぐに実践可能な内容もあり参考になる情報がある一方で、 ネットワークを広げるための土台を作るのは、内向的な者としてはなかなか勇気がいるものであるとも感じました。
ですが、大切なことは実践できるものから試していき、 徐々に自信をつけることで次の一歩を踏み出す勇気に繋がるのだと思います。
内向的でコミュニケーションに不安があるかたはもちろん、 交友関係の停滞を危惧している方の打開策として読んで見てはいかがでしょうか。
売る以外にも応用できそう「シュガーマンのマーケティング30の法則」
今回ご紹介する本は シュガーマンのマーケティング30の法則 お客がモノを買ってしまう心理的トリガーとは です。
本書籍はジョセフ・シュガーマンという全米屈指のダイレクトマーケターが、 実際に体験したストーリーを交えながら、モノを売る際に意識すべき30の心理的トリガーを解説しています。
その内容は、広告に載せるべき内容やセールストークの仕方、 購入を促す下準備に商品の付加価値の付け方など、モノを売る際に参考になる情報が詰まっています。
興味を引きつける文章の書き方はモノを売らない人でも応用可能な内容である他、 買う側の視点から見ても一度読んでみるとおもしろいのではないかと感じました。
冒頭の通り体験を元にしたストーリーを交えて解説されており、 とても読みやすい思いますので是非いかがでしょうか。
パートナーとの関係をより良くする秘訣とは「夫婦・カップルのためのアサーション」
今回ご紹介する本は 夫婦・カップルのためのアサーション: 自分もパートナーも大切にする自己表現 です。
以前ご紹介した アサーション入門 を、 夫婦やカップルという関係に焦点をあてて掘り下げることで、 より具体的にイメージしやすいものとなっています。
本書のメインは後半部のアサーションを夫婦・カップルに活かすための方法になりますが、 前半部にはそもそも夫婦・カップルとは何かを理解するためのステップもあり、 改めて気づかされる部分が多々あります。
前半部(第一章〜四章)
- 夫婦関係において発生する「発達的危機」と「偶発的危機」
- 二人の関係を育てる「親密さ」と、妨げるきっかけとなる「親密さへの恐怖」
- 「自己分化度」の違いとバランス
- 夫婦間での問題発生時に陥りやすい悪循環
後半部(第五章〜十一章)
- アサーションを知る上で必要な3つのタイプ
- 自己信頼とアサーション権
- ABC理論と非合理的思い込み
- アサーティブに伝えるための基本
- アサーティブに聴くための基本
- DESC法を使ったアサーション
- アサーションを実践する上で特に意識したい感情「怒り」への対処法と非言語的な表現
夫婦・カップル間で起こりがちな例を基に、どうすればアサーションを取り入れて対処できるのかが説明されており、 実践するためのコツが掴みやすく、より鮮明になりました。
また、アサーションを実践する上で最も重要であり根本的な部分は以下を知ることにあると感じました。
- 他人の言動に対して自分に何らかの感情が生じた場合、その言動に問題があると考え、他人の考え方を改めなければならいと思いがちである
- 実際には、自分の感情はその言動を自分がどう見たかのか考えたのかによって生じたものである
- つまり感情は自分でコントロール可能であり、それを表現するかしないか、どう表現するのかも柔軟に調整可能である
こう考えるだけでも、感情というものに対する見方が変わったのではないでしょうか。
パートナーとの関係を良好にしたい、パートナーとのコミュニケーションからアサーションをより理解したい、 という方におすすめの本となりますので読んでみてはいかがでしょうか。
ダイエットだけじゃない。知られざる運動の効果とは「脳を鍛えるには運動しかない」
今回ご紹介する本は 脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方 です。
運動と聞くと
- 趣味
- 気分転換
- ダイエット
などを目的に行うイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか。
しかし、近年運動には脳への様々な効果が期待できることが研究により証明されています。 例えば以下のようなものです。
- 集中力や学習能力の向上
- ストレスへの耐性
- うつ対策
- 老化防止
- 女性特有のホルモン変化
私が特に興味を惹かれたポイントは一つ目の「集中力や学習能力の向上」です。 有酸素運動により記憶を司る海馬周辺のニューロンやシナプスが新生強化されることで、 その後にインプットする情報が記憶に定着しやすくなり、学習効率があがるというもの。
私は普段から多少運動はする方ではありますが、 本書を読んたことで、より生活の中に有酸素運動を取り入れたいと感じました。
早速明日から実践です。
本書では様々な事例や研究結果を基に、 有酸素運動により得られる効果を神経科学(脳)の観点から解説されており、 また、適度な運動強度とは何か、どの程度頻度で実施するのが理想的かについても触れられています。
すでに運動されている、あるいはこれから運動しようと考えている方は参考とモチベーションの維持に、 運動する予定がない方も本書を読み終わるころには明日からでも運動したくなること間違いなしですので是非いかがでしょうか。
プロジェクトを成功に導く進捗の法則「マネジャーの最も大切な仕事」
今回ご紹介する本は マネジャーの最も大切な仕事――95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力 です。
本書は多種多様な業種で実際に働く人からフィードバックをもらい、それらを分析した結果、 プロジェクトメンバーそれぞれの「インナーワークライフ」こそが成功の鍵を握っていることを明らかにしたもので、 その理由とどのような点に気をつけるべきかが多くの事例を挙げながら説明されています。
インナーワークライフとは
- 認識
- 感情
- モチベーション
の総称であり、これらがどのような状態であるか、 どうすれば高まるかを配慮すべきであるというものです。
しかし、これらの要素は普段外からは見えづらい内容であるため、 例えば下記を確認することで現状を把握する一つの手かがりになるのではないかと考えました。
- 最近の気分が上がったこと、下がったこと
- プロジェクトに対する印象
- いまのタスクの満足度
インナーワークライフに影響を与える要素
要素は3つ存在し重要度の順は「進捗の法則 > 触媒ファクター > 栄養ファクター」であり、 特に「進捗の法則」の影響は際立って高いようです。
- 進捗の法則
やりがいのある仕事に成果がでることが重要。 やりがいとは自分の仕事が何かまたは誰かにとって価値のあるものだと自分が認識すること。
- 触媒ファクター
意見が尊重されるか、十分なリソースが与えらえているか、チーム内での協力やコミュニケーションが活発であるかなど。
- 栄養ファクター
マネジャーやチームメンバー間で互いに尊重し、自身がの仕事が評価されている実感や、感情的なサポートが行われているかなど。
感想
タイトルはマネジャー向けの本に見えますが、 プロジェクトに参画するメンバーとも双方で理解しておいて損はないと感じました。
インナーワークライフや各要素の詳細と、それらを解決するためのチェックリストなど、 参考になる情報がたくさんありますので、より詳しく内容を知りたいと思った方は是非読んでみてはいかがでしょうか。