パートナーとの関係をより良くする秘訣とは「夫婦・カップルのためのアサーション」
今回ご紹介する本は 夫婦・カップルのためのアサーション: 自分もパートナーも大切にする自己表現 です。
以前ご紹介した アサーション入門 を、 夫婦やカップルという関係に焦点をあてて掘り下げることで、 より具体的にイメージしやすいものとなっています。
本書のメインは後半部のアサーションを夫婦・カップルに活かすための方法になりますが、 前半部にはそもそも夫婦・カップルとは何かを理解するためのステップもあり、 改めて気づかされる部分が多々あります。
前半部(第一章〜四章)
- 夫婦関係において発生する「発達的危機」と「偶発的危機」
- 二人の関係を育てる「親密さ」と、妨げるきっかけとなる「親密さへの恐怖」
- 「自己分化度」の違いとバランス
- 夫婦間での問題発生時に陥りやすい悪循環
後半部(第五章〜十一章)
- アサーションを知る上で必要な3つのタイプ
- 自己信頼とアサーション権
- ABC理論と非合理的思い込み
- アサーティブに伝えるための基本
- アサーティブに聴くための基本
- DESC法を使ったアサーション
- アサーションを実践する上で特に意識したい感情「怒り」への対処法と非言語的な表現
夫婦・カップル間で起こりがちな例を基に、どうすればアサーションを取り入れて対処できるのかが説明されており、 実践するためのコツが掴みやすく、より鮮明になりました。
また、アサーションを実践する上で最も重要であり根本的な部分は以下を知ることにあると感じました。
- 他人の言動に対して自分に何らかの感情が生じた場合、その言動に問題があると考え、他人の考え方を改めなければならいと思いがちである
- 実際には、自分の感情はその言動を自分がどう見たかのか考えたのかによって生じたものである
- つまり感情は自分でコントロール可能であり、それを表現するかしないか、どう表現するのかも柔軟に調整可能である
こう考えるだけでも、感情というものに対する見方が変わったのではないでしょうか。
パートナーとの関係を良好にしたい、パートナーとのコミュニケーションからアサーションをより理解したい、 という方におすすめの本となりますので読んでみてはいかがでしょうか。